卵巣がん検診

卵巣がんは子宮がんよりも発生率は低いのですが、最近食生活の変化などにより日本人でも増加しています。戦後の時代に比べると約3倍増加しているそうです。
今後も増加傾向にあり、一生のうちに女性が卵巣がんに罹る割合は1.8%と約55人に1人の女性が卵巣がんになる計算となります。
初期には症状が何もないので見つけにくい病気です。別名サイレントキラーと呼ばれます。
卵巣は子宮とは異なり体の奥のほうにあるので、簡単に細胞をとって調べるわけにはいきません。そのため以前はがん自体が相当大きくなって手遅れの時期に気づかれることが多く、恐れられていました。
それでも卵巣がんの患者さんに後から聞いてみると、「最近スカートが合わなくなってきていた」、「便通の調子が悪かった」、「たまに下腹部の痛みがあった」などの症状があることが多いです。

卵巣が大きくなっているかどうかは、いわゆる内診だけで判断するのは困難です。そのため超音波検査を行い、卵巣の大きさや形、腹水の有無などを判断します。

またがん細胞は正常の細胞が作らない特殊な物質を作ったり、がん特有の抗原を持っていたりしますが、がん細胞が増殖すると血液中にこれらの物質が増加してくるので、これを測定することにより卵巣がんの存在を疑うことができる場合があります。これらの物質は腫瘍マーカーと呼ばれ、卵巣がんでも利用されています。

超音波検査と腫瘍マーカーを組み合わせることで、卵巣がんの検診を行っています。